実写版スーパーマリオの話

CPC(クレイジー・サイコ・クラブ)首謀者のCamille☆です。
以前に外部ブログの方に書いていたものを少し書き足しをしまして、こちらのサイトにリメイクしました。

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諸君らは、ハリウッド大作映画「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」をご存じだろうか?

クソ映画だ、駄作だと耳にしたことはあるかもしれない。

観た事があり、「あぁ、あの全然マリオっぽくない映画」という感想の人もいるかもしれない。

だが、本当に「マリオっぽさの無い駄作」なのだろうか?

周りがクソ映画だ何だと言ってるからそう思い込んでいるだけではないのか?

幼少期に、この映画のメイキング本を手にしたことで、特殊造形・特殊メイクなど”映画”に興味を持った僕が

多分おそらくメイビーパーハップス令和の日本で一番熱く「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」を語ってみようと思う。

「マリオとして観なければ面白い」って感想の奴ら!

お前ら全員もっかいちゃんと見直せ。

あと、観てもないのに面白がってネタにしてる奴、

一回観ろ。面白いから。

まず、この映画がどういう内容なのか軽くおさらいをしておこう。

ニューヨークはブルックリンで配管工をしているマリオ兄弟が、ある日知り合ったデイジーという女の子がさらわれたことで

地下の異世界にあるクッパ帝国に乗り込んで、助けに行く

めちゃくちゃマリオやんけ。解散!

スーパーマリオって言ったら「クッパにさらわれた姫をマリオ兄弟が助けに行く」ハナシだろ?

これ以上なくマリオしてんじゃん。

なに?設定が違う?

確かに、この映画のクッパ軍団は「カメ帝国」じゃなくて「恐竜帝国」だよ。

でもこればかりは仕方ない。この当時右も左も恐竜。
安達祐実も恐竜と気球に乗って飛んでいく時代

ゴジラですら恐竜ブームに乗っかった時代。

それ以外はちゃんとしてるから許してやってくれ。

え?それ以外もマリオ要素が無い?

ちゃんと見てみろよ。

マリオの要素あるぞ。

それにこの映画が以降のマリオゲームに与えた影響もかなりあるんだぞ。

たとえば、中盤にデイジーと間違えて連れ去られた女の人たちを助けて逃げる際、凍り付いたパイプの中を滑り降りていく場面

「スーパーマリオ64」のスノースライダーそっくりじゃないか!

地底の異世界へといく壁に入る描写も、「スーパーマリオ64」で引用されていたし。

クッパの側でなく、味方に付く「敵キャラ」も「マリオストーリー」に先駆けての登場だ(64系ばっかりだ)

逆に、既存のゲームからの引用も実はたくさんある。

わかり易いところでいうと「ボム爆弾」

いや、ボムで爆弾はどうなんだろうとも思うんだけどw

あと、ムーチョかヘイホーかわかんないけどあの辺のキャラ

映画の序盤で、ライバルの配管業者と地下の排水溝の中で右往左往するのは「マリオブラザーズ」まんまじゃないか。

中盤辺りに、砂漠に出るくだり。昨今のパステルチックな世界で冒険してる世代にはわからないかもしれないが、80年代のマリオは割とメキシカンな砂漠のイメージがあったもんだ(海外版マリオ2、所謂マリオUSAのイメージとかがテキサスチックなイラストが数件あったのよ)86年のアニメ映画「ピーチ姫救出作戦」なんかも、砂漠というか荒野にある街にマリオ兄弟は住んでたしね。

これは別に住んでるわけでなく、冒険の途中。そういやこのアニメの二人組のクリボーも間抜けだったな。

トードという一般市民が、グンバに変えられてしまうシーケンスなんかも、原作再現だろう。

トードは日本名でキノピオ、グンバはクリボーだ。ゲームでは元々クリボーは一般のキノコ王国民がクッパサイドに寝返ったって設定だけど、「一般市民がクッパの兵になる」って表現としてはグッドだよ。

それに、「スーパーマリオブラザーズ」の設定を思い出してほしい。

「クッパは一般市民をツクシやレンガの姿に変えてしまった」とある。まさにこの状況ではないか?

同じように、元々の国王がキノコの姿に変えられてしまった! 「スーパーマリオブラザーズ3」ではキノコワールドの各王国の王様が、魔法の杖でいろんな動物に変えられていたぞ!

終盤に、マリオと戦うクッパ。前述のボム爆弾で吹っ飛ばされて石炭か何かを入れておくファンネルに飛ばされてその中から襲い掛かってくる演出。

まさに「スーパーマリオワールド」の最終面。クッパクラウンに乗って襲い来るクッパそのものだ。

どうだい?思ってる以上にちゃんとマリオでしょ?

最後にもう一つ、コレだけは言っておきたいことがあるんだよ。

さっきも出てきた「グンバ」そう、日本では「クリボー」だよね。

このグンバが全然クリボーっぽくないって思ってる人が多いんだけど、違うよ。

コイツが一番、実写化において最適解を出してる最高なキャラなんだよ。

まず、クリボーを思い出してくれ。こいつは二足歩行のキノコだ。

シイタケのような見た目の茶色いキノコだ。(個人的にはクリタケというキノコのような気もするが・・・)

そしてグンバ。

こいつは、いかついガタイの赤茶色の軍服を着た恐竜兵士だ。

恐竜であることは、もうこの際関係ない。「恐竜帝国」というこの映画の設定上しかたあるまい。

見てほしいのはその姿である。

大きく山なりになった茶色い体躯。のっそのっそと迫りくるその姿。
思ったほど強くない雑魚性。
紛れもなくこいつはクリボーじゃないか。

カメを蹴っ飛ばして、クリボーたちを吹っ飛ばして1UPしたことのある人も多いだろう。

実はその再現もしている。

映画のクライマックス。「ジャンプシューズ」を飛ばしてグンバたちをなぎ倒すシーンがそれだ。

よく見るとこのジャンプシューズ、カメの甲羅っぽく見えなくもない。

また、クッパとの決戦時にルイージのみこのジャンプシューズを使用するが、コレもマリオ2やUSAの際

マリオよりもルイージの方がジャンプ力がある。滞空時間が長い設定を活かしているのではないか?

かなり好意的な解釈だとは思うけど、間違ってはいないと思う。

偏見をなくし、改めてこの映画を見直してほしい。

あなたの記憶以上に、スーパーマリオしてますよ。